【開催レポート】セイリー育緒のフィルム写真ゼミ 第1回の様子

【開催レポート】セイリー育緒のフィルム写真ゼミ 第1回の様子


ソラリスでは2017年10月から、セイリー育緒さんのフィルム写真ゼミがスタートしました。

セイリーさんは、京都でフィルムカメラの修理ラボを営みながら『フィルムカメラを捨てないで欲しい。1台でも多く残したい。そしてまた他の誰かが使えるように修理して世の中に戻したい』という思いのもと、Film Camera Revivalというチームを結成し、デジタル世代に向け、フィルムカメラを取り入れたユニークライフの提案をされています。また自身も写真家として、2007年に土門拳文化賞を受賞され、現在も作品の制作を続けています。

酔いどれ吟遊詩人―セイリー育緒写真集

そんなフィルムに熱い思いを持つセイリーさんの、フィルム写真ゼミ。わたしもこれから半年、参加者の皆さんの写真がどう変化していくのか、とても楽しみです!

今日は、その様子をちょっとだけご紹介します!(レポート協力:好崎さん。ありがとうございます〜!)

セイリー育緒 フィルム写真ゼミ

まずはじめに参加者の自己紹介をして、セイリーさんからこのゼミの目標を話してもらいました。

お話のなかで挙がった話題、気になった言葉を抜粋して掲載させていただきます。

ところどころ会話の流れであったり、特定の写真を前にされてお話頂いた内容ですので、わかりにくいところもあるかもしれませんがご容赦ください。少しでも写真のヒントになれば嬉しく思います。

  • 写真は長く続けていると、飽きてきたり、行き詰まってくる。
  • 大事な事は、写真を楽しく続けていくためのヒントを実感してほしい。
  • 技術的なことを言うんじゃなく、「自分の撮りたい写真てどういうものなのか」をひとつ違う視点から見つけていってほしい。

【ゼミのルール】

自分で選んだ写真を持ってこないこと(包み隠さず持ってきてください)。ボケボケでも持ってくる。
自分がいいと思うものだけ持ってきたらそこから世界が広がらないから。

テーマを決めたらそれで最後まで走ろう。テーマは変えない。
1回1回は完璧じゃなくていい。半年でどれだけ進んだか、なるべく多く失敗したり困ったりできたらいい。

【目標】

今までの価値観をゼロに戻そう、疑うこと

【今日のゼミを始める前に】

  • どんな感じで撮っていくか
  • 単写真でなく組み写真の面白さを知る。直接撮らないで、ひとまとまりの写真で想起させる。一枚の写真に多くを入れない。チームワーク。個人プレイでなく。
  • 褒められるのは、それしか言うことがないから言われただけ!けちょんけちょんに言われること。
  • 撮影場所には一人でいく。現像も自分で決める。場所を選ぶ。
  • ピントや奥行きだけではない。技術だけでない。その先へ。
  • 一枚一枚の撮り方を考える。一人でとってみたいテーマは何か。身近な人、愛着のあるもの。景色、風景、観光地、通勤途中、友人の家…
  • 「家族」は撮り方がある。距離が一定。置きピン。シャッタースピード。こっちを向く前に撮る。こちらが構えてピントを合わせるから、相手も構える。ピントはそのうち合う。何をとるか、どうとるかが大事。ピントは勝手に合う。
  • やったことがないことから世界が広がる。ファインダーを覗かずに撮るとか。
  • 相手に被写体であることを感じさせない。被写体を撮ることを考えない。
  • 自分の個性を抑えて撮ると最後は個性が出てくる。出そうとすると逃げていく。
セイリー育緒 フィルム写真ゼミ

【写真を見ながら】

Sさん

  • うますぎ。ヘタになること。構図を取りにいく癖がある。
  • 視線を誘導するのはアウト。真ん中にすべて収めようとすると、何もかも遠ざかる。
  • 自分の意思を反映しにくい。花など見てキレイにとれるものは、花を花として撮るのでなく、花を何かに例えて。
  • 子どもは追い掛け回して画面からいなくなってもいい。ピントを合わせなくても撮りたい時に撮る。納得いくまで構えてから撮るのはやめる。やんちゃに撮る。あとで見てからどっちがいいか考える。

Mさん

  • 全て単写真。
  • どこにもピントを合わせない写真でもいい
  • 記憶的な光って?カメラでしっかり向き合う。
セイリー育緒 フィルム写真ゼミ

Oさん

  • 写真を見て「行きたい!」と思うのは、場所が評価されたということ。写真ではない。写真の中だからいい風景だった。撮るために行くのはいいが、証拠写真にならないように。
  • フィルムで撮ることの面白いところはなにか、良く考える必要がある。撮ってすぐ見れないから、記憶が曖昧になってから見るので、客観的に見れる。デジタルは何枚でも撮れる。心構えが違う。1枚1枚大事。
  • 撮りたいものがないときに、キレイなものに逃げやすい
  • 車にのっていて、信号のたびに写真を撮ってみる。好きでも嫌いでもなくミッションとして。
  • こんなんでいいの?という写真を撮ってみる。

Yさん

  • 写っている被写体と構図で完結した写真は、見た人の世界が広がらない。写真を見るということに終わる。スキをつくる。足りないものがあるが、見ている人にまかせた、というくらいに。
  • 真ん中に集めている。解釈のバリエーションが少なくなる。
  • 編集はすごい大事。なぜこの写真を選ぶのか体験してもらいたい。
  • 一見違う被写体を撮っていても1本筋が通ることが大事。
  • 撮った人と被写体との関係性/どういう思いで解き明かそうとしているか→魅力
  • 1枚で見せようとしない。繰り返し繰り返し見せることで何十枚めくっても語りかけることがないと一つの作品にならない。「自分がこれ」と決めたら最後まで取り組む。
  • なぜこの写真ばかり撮るのか→なぜなのかきちんと考えてみる

Fさん

  • 記録写真になっている。テンションあがらないところで撮っていい。
  • どういうところにモチベーションがあがるか。島、田舎などノスタルジック。捨てられているか、置かれているかわからない椅子→人が使った形跡→自分の身の回りにもある。そこにいかないとわからないと思うのはちがう。どこかにいかないと撮れないということになる。→家の中、モチベーションが下がるところに挑戦してみては
  • なぜこれを撮りたいのか、いちいち考える。
  • カメラを持たないで散歩する。持っていたら良かったと思う瞬間、なぜそう思ったのか考える。何かに書いてみるのもいい。

Yさん

  • 街歩きで気になるテーマがミックスしている。
  • 何を入れたいかが大事。うまく撮れたと思うものを入れるとテーマに合わないものが入る。
  • 展示の中で4、5枚違和感を感じるものがある。編集しなおしたほうが良い。
  • きちんととれなくていい。
  • テーマはこのままでいいのでは。

というわけでたっぷり2時間。ゼミのなかで繰り返し「きちんととれなくていい」という言葉がでてきましたが、それは『自分の知っている世界を閉じ込めるために、写真にする』のではなく、『自分以外の世界に出会うために、写真をする』ということなのかなと感じました。

帰る前のセイリーさんからは、「褒められようと思うな、褒められる写真を撮るな!がんばれ!」 というメッセージが。次回のフィルム写真ゼミは、2017/11/16(木)19時から。皆さま、また次回たくさん見せてください〜!