【開催レポート】大和田良ゼミ 関西クラス(日本写真学院・主催)第2回の様子

【開催レポート】大和田良ゼミ 関西クラス(日本写真学院・主催)第2回の様子

日本写真学院が主催する「写真家・大和田良ゼミ 関西クラス」の第2回授業が4/16(土)12:00~、ソラリスにて開催されました。

このゼミでは最終的に今年9月にソラリスで開催する展示に向け、全5回の授業を通じて自由制作についてみんなでディスカッションをしたり、課題による技術修得を目指していきます。

前回、授業の終わりに課題として出された「手の習作」と、作品撮りの方向性をひとりひとりじっくりと合評した第2回。今日はその様子をちょっとだけご紹介!

大和田良ゼミ 関西クラス(日本写真学院・主催)

以下、挙がった話題、気になった言葉を抜粋して掲載させて頂きます。「」内は大和田さんの発言(但し、会話の流れであったり、特定の写真を前にされてお話頂いた内容であることをご了承ください)。

■Tさん

動きのある手を撮ってみようと思ってヨーヨーをしている姪っ子の手を撮ってみました。
「ライティングはどうしてる?」
三灯使って撮ってます。
「うまく光が回ってますね。陰と光が出てるのが躍動感があっていい。」
「手が動いているのが力みたいなものがあって表情みたいなものが出てて。」
「補助光の使い方で細かな手の表情が出るので撮影の時に気にしてみるといいですよ。」
「あと、現像の時に部分的なコントラストを高めるとか。」

「存在感を感じる写真になりましたね。」
「被写体自体が表してるものはまた違うものになると思う。ひとつのものに対してディテールというか。」
「空間全体を使った場そのものの感じ、空気感で埋め尽くす感じと、具体的な一番強い存在感を感じたものを。」
「その二つに意識をしっかり分けて意識に絞って違うシリーズを撮っていく。そうすると写真のクオリティがどんどんあがっていく。」

■Sさん

「1枚の中にストーリーがあっていい。」
「桜を撮っているものはやっぱり物語が少なくなりますね。」
「桜は桜自体に魅かれて撮っているので”モノ”の写真になる。」
「自分が感じている世界観があらわれる写真を。”モノ”の存在感が強い。」
「写真として見ておもしろいのは、なんで撮っているのかわからない、何を写そうとしたのか、しっかり見ないと分からないもの、その分からなさがおもしろい。それが長く目を留める写真になる。」
「一瞬では判断できないもの、自分でしか撮らないもの、自分しか目を向けてないモノを突き詰めていくこと。」
「いろんな人の価値観のすり合わせの中に写真があると写真が単一化する。」
「自分しか気付かないところに目を向けていった方が。」
「まずはいっぱい撮って個性を出していく。」

■Sさん

自分の手を撮っている。気になっているものの中に自分の手を入れてみたらどうだろうと思って。
「手の質感が良く出ている。光は自然光ですね?透明感がいい。」
「撮る前にいろいろなものを見てみましょう。例えば、気になる手の写真から自分の興味を引き出してみよう。」
「触ってみようと思う感覚を持って写真を。」
「画面に要素がすごく入ってるのでストーリーを感じる。」

2、3年前に撮った写真の中で、色に対する興味、色だけを抽出した写真を見直して、もう一度ちゃんと撮ってみようと今回思いました。
「色の抽出は同じだけど、こっちは透明感があって澱みがある感じがおもしろい。こっちは爽やかな印象がある。」
「澱みというのは心に引っかかるものがある、溶ける感じが重要。」
「ある程度リンカクがなくてもいい。極端にいえばどこにもピントがなくても。」
「背景が白だったりピンクもリンカクが失われるので混じり合うと思う。」
「”色”というところと、その溶ける感じと、いろんなものが混じり合う感じを一枚の中で表して、それが何枚か集まるとどんな感じになるか見てみたい。」

大和田良ゼミ 関西クラス(日本写真学院・主催)

■Wさん

祖母の手を撮影しました。
「指の質感の光の使い方がいいですね。」
「シャドウ部分のコントラストを気にかけて。」
「貴重な記録になると思う。」
「ISO感度をあげてノイズ強めにするのもいいと思います。」

「もっと量を撮ったものを、自由な感じで。」
「いくつかの方向性というかベクトルが混ざってもいい。一つ二つだと違う方向性が際立つけど、10、20と違う方向(ベクトル)に飛んでいくとまとめようと思わなくても、ある程度まとまるというか。」
「自分でしっくりくるのが分かるのは、撮った後にしかわからない。とにかく今はどんどん撮って。どういうい写真かを決めずに。」

■Kさん

競馬場のお客さんやジョッキー、働いている人の手を撮りました。
「意志をもった動き、いろんな目的をはらんだ手にストーリーを感じる。手の形、動きがおもしろく出ている。」
「光の状態で手の表情が変わる。いろんな光で撮るのがおもしろい。外の光、室内の光、人工的な光、光の違いを見ながら捉えていくとおもしろいと思う。」
「全体を写してる分、説明的になっている。」
「寄った写真から、すごく寄ってる写真、グラフィカルな写真がいい。スナップ的に全体を撮っているよりも。」
ノイズとか出していった方がいいですか?
「そういった画質的なものよりもフレーミングで考えていきましょう。あとは順光を意識する。写真の密度を気にしてみる。」

大和田良ゼミ 関西クラス(日本写真学院・主催)

■Kさん

父親が使ってた道具をひとつひとつ撮っていこうと。
「カラーで撮ってる方がおもしろそうですか?」
実家を撮ってると母の色が多かったので父の道具を。
ただモノを撮るのではなく、父の道具に対する所作を思い出しながら撮ってみました。
「道具はやっぱり面白いですね。」
「この道具シリーズと平行して、スナップ的なものを。」
「光をとらえてるスナップとかは、もっと撮りためていくことで違うものが見えてくると思います。」

■Nさん

祖母の手を石内都さんの手の写真を参考に。手の習作の課題をもらってからいろいろと考えて、綺麗な手の最大公約数はマネキンの手だと思い、マネキンの手を。あと、自分の手を。
「手じゃない何か、花を連想させるいい写真だと思います。」
「こっちの方がストーリーを感じる。背景のあるなしで違いますね。」
「すごく丁寧に撮ってる感じ。手に興味があるというのが写真から伝わります。」

数があるのでコンタクトシートで。
「数の意味(量をみせる、数を絞る)」
「ほぼ原寸大で出してみますか?」
「時系列で見せるよりバラバラで見せるのがおもしろいかも。」
「ホワイトバランスも含めて写真のトーンを一回合わせて仕上げを。シミュレーションしてみましょうか。」

合評終了後、次回に向けての課題が出されました。次回のゼミは5月15日(日)。次回もどうぞ宜しくお願いいたします!


最終更新日:16年10月9日(日)