【写真展】ソラリス企画展・熊谷聖司 写真展「 EACH LITTLE THING」、開催中です

『EACH LITTLE THING』は、熊谷が2011年から8年に渡り、取り組んできたシリーズです。
今作は写真集として#01-#10までが刊行され、完結いたしました。
その中からセレクトした17点を展示いたします。

日常的な場面の中から、「35mm、縦位置のカラー」という制約のなかで
すべてを等価に捉えるかのように撮られたスナップショットで構成されており、
高度な暗室技術を駆使して熊谷自らがプリントを仕上げています。

写真集制作では一転、デザイナー・高橋健介氏に数百枚の写真の束を渡し、
セレクトと編集を任せ、作家は極力干渉しません。

3.11以降、「写真を撮って発表する」というライフワークについて、
今一度考えたという熊谷聖司。

熊谷は本作のテーマを「わたしの欲望とは何か」と設定し、
「何にこだわり、何を手放せるのか」と自分に問いを立て、
この独特な制作方法を採用することで、写真の核に到達しようと試みています。

撮影から写真集制作、出版、流通までのプロセスを解体、検証、再構築する活動を通じ、
スナップ写真の新たな可能性を我々は見いだすことができるのかもしれません。