ⓒ Norifumi Inagaki
ⓒ Norifumi Inagaki
ギャラリーソラリス企画展
稲垣徳文 写真展
「 ROOTS -ニエプスのアトリエ、キューバのポラロイド-」
2022年3月22日(火)〜4月3日(日)
火〜金 11:00〜19:00 / 土・日 10:00〜19:00
※3月28日(月)休廊
3/25(金)、3/26(土)、3/27(日)、4/2(土)、4/3(日)在廊予定。ただしワークショップのため、出たり入ったりしています。
会期中イベントは定員に達しました
「『鶏卵紙』ワークショップ」
3/25(金)13:00~16:00
3/26(土)10:00~13:00 / 13:00~16:00
3/27(日)10:00~13:00 / 13:00~16:00
4/2(土)10:00~13:00 / 13:00~16:00
4/3(日)10:00~13:00 / 13:00~16:00
「ギャラリートーク『ニエプスのアトリエ、キューバのポラロイド』」
3月26日(土)19:30〜20:30
昨年に引き続き、ソラリスでは2回目となる稲垣徳文 写真展を開催いたします。
前回の展覧会『鶏卵紙のパリ』では、アジェが写した20世紀初頭のパリを辿り、8×10の大型カメラで撮影・当時の技法である鶏卵紙で仕上げた作品を展示し好評を博しました。
本展『ROOTS -ニエプスのアトリエ、キューバのポラロイド-』では、写真の発明者であるニエプスのアトリエを訪れ撮影した作品<ニエプスのアトリエ>と、世界各地の街角で出会った写真師たちのポートレート作品<キューバのポラロイド>をミックスして展示いたします。
写真の始まりの地、そして写真師たちへのオマージュを鶏卵紙のプリントの美しさとともにぜひご高覧ください。
現存する最古の写真は、1827年頃、ブルゴーニュのシャロン・シュル・ソーヌ郊外で撮影された。写真の発明者、ニセフォール・ニエプスの別荘から眺めた庭の景色だ。黎明期の写真は化学そのものだ。ニエプスの別荘は、今も住居として使われている。広い屋敷の一部は記念館として公開されているが、街からのバスすらなく、訪れる者も少なかった。屋根裏にはニエプスが暮らした頃の色褪せた壁紙が残る。
窓辺から眺めた庭は、ニエプスのイメージに写る納屋や鳩小屋などの構造物はもはや存在しない。ニエプスが発明したヘリオグラフィは40時間ほどの露光時間が必要だったとされる。南東を向いて建つ邸宅の庭は終日、明るい日差しが降り注いでいた。光が飽和したようなニエプスのイメージはその痕跡なのだと思った。
ニエプスが残した一枚から写真は始まった。屋根よりも高く聳える庭の木々に200年の歳月を感じさせられた。
2013年の秋、パリの広場で大型カメラと佇む写真師に出会った。
写真師のハンスさんはポートレートを撮影すると、傍らに置かれた箱に手を入れて現像を始めた。待つこと3分、白黒反転した印画紙を取り出すと、それを複写、ほどなくモノクロプリントが出来上がった。所要10分のインスタント写真は1枚5ユーロなり。
かつて、写真館のない街ではこうした写真師が活躍していたという。
70年前に撮影されたカルティエ・ブレッソンの「INDIA」にも街角の写真師を写した作品がある。インドやキューバの街角には現役の写真師がいるらしい。
このインスタント写真術は「キューバのポラロイド」とも呼ばれるという。
水道、電気の整った暗室を使わず、日光と銀の化学変化だけで生成されるモノクロプリントに写真の原点を見た思いがしたあの時。写真の古典技法に興味を抱いたのはそれからこのことだ。
会期中イベントは定員に達しました
鶏卵紙は19世紀中頃から20世紀初頭まで半世紀にわたり用いられたプリント技法になります。鶏卵紙の美しいセピア色はバライタ印画紙登場後も長く人々に愛されていました。ワークショップではパリ「フランス遺産学院」の作法を基に8×10サイズのプリントを製作します。
貴重なキャンソンのパルプ紙に卵白と硝酸銀の塗布の後、太陽光による「焼きだし」、画像保護を目的とした金調色を行います。階調豊かな鶏卵紙の制作過程をお楽しみください。
また仕上がった鶏卵紙プリントは当日お持ち帰り頂けます。ぜひお気軽にご参加ください。
※参考リンク:デジカメwatch <19世紀の写真技法「鶏卵紙」とは>
日時 | 2022年3月25日(金) 2022年3月26日(土) 2022年3月27日(日) 2022年4月2日(土) 2022年4月3日(日) 内容は全て同じです。お好きな日時をお選びください。 横線で消してる回は定員となっています。定員の回は、キャンセル待ちでのお申し込みが可能です。 ・所要3時間:作業工程 「卵白紙」に「硝酸銀を塗布」~乾燥~『焼きだし』太陽光8分~ ~水洗~金調色~水洗~定着~水洗~乾燥~フラット二ング~ 仕上がり |
会場 | ソラリス(地図) TEL:06-6251-8108 |
料金・定員 | 8,500円 各回2名まで (先着順) ※展覧会会期中、作品をご購入いただいた方はワークショップに無料ご招待させていただきます |
持ち物 | 鶏卵紙でのプリントは密着プリント(ベタ焼き)で仕上げます。 ですので8×10ネガや4×5ネガ、デジタルネガなどをお持ちいただくのが理想的なのですが、ない場合は35mmフィルムや120フィルムなど、ロールフィルム1本分を「密着プリント」で鶏卵紙作品として仕上げることも可能です。また、こちらで用意した8×10ネガよりフィルムをお選びいただくことも可能です。 ご不明な点はご相談にのりますので、お気軽にお問い合わせください。 |
下記ボタンのお申込みフォームから、お申込みください。お申込み頂いた方にはこちらから参加費の振込先と締め切りをお伝えいたします。
※開催日から数えて14日前の正午を過ぎますと、WSの再募集をすることが時間的に困難になりますのでキャンセル料が100%発生いたします。大変申し訳ございませんが、あらかじめご了承下さい。
*新型コロナウイルスなど感染状況や政府からの指示に基づき、営業を自粛させていただく可能性があります。中止となった場合、お支払いいただいた参加費をご返金となります。
WEB上で展覧会の雰囲気をご覧いただけるオンラインビューイングを公開いたします。写真展の楽しみは会場でしか味わえないものもありますが、遠方の方、足を運びにくい方もぜひこちらから展覧会の雰囲気をお楽しみいただけますと幸いです。
なおオンラインビューイングの公開は、会期初日〜会期最終日までの予定です。
稲垣徳文 略歴
1970年東京都出身。法政大学社会学部卒業。
在学中より写真家・宝田久人氏に師事する。
朝日新聞社「AERA」編集部を経てエディトリアルを中心に活動する。
「ウジェーヌ・アジェが写したパリの再訪」と「アジアの古刹巡礼」をライフワークにしている。東日本大震災後、太陽光でプリント可能な鶏卵紙による作品制作に取り組んでいる。日本写真協会会員。
・写真展
1991年『タシュクルガンへの道』オリンパスギャラリー
1995年『大陸浪人』ドイフォトプラザ
2007年『In the viewpoint of Asia / Tokyo』gallery Litfasssaeule Munchen
2011年『巡礼 Mt.Kailas』 コニカミノルタプラザ
2011年『Habitat』ギャラリー・シリウス
2017年『HOMMAGE -アジェ再訪-』 gallery bauhaus
2019年『10th gelatin silver session』参加 AXIS GALLERY
2020年 『ROOTS -アジェとニエプスを巡る旅-』 gallery bauhaus
2020年 『巡礼 2010-2020』 フジフィルム イメージングプラザ 東京/ 大阪
2021年 『鶏卵紙のパリ』ギャラリー・ソラリス / 大阪