稲垣徳文 写真展「Blue Period」

ギャラリーソラリス企画展

稲垣徳文 写真展

Blue Period

2026年324日(火)〜45日(日) 12:00〜19:00(最終日は18:00まで)

※3月30日(月)休廊

2026年から営業時間が変わりましたのでご注意ください

自然の鉛筆の「植物の葉」を見つけたのは昨年の春のこと。探しはじめて2年あまりそれは自宅近くの街路樹の根元に生えていた。早速、枝葉のひとつを持ち帰りフォトジェニックドローイングを始めた。
サイアノタイプのシンプルな青と白の造形。光の作用により物の形が紙の上に定着される過程には期待感と驚きがある。180年前、アナ・アトキンスが海藻の標本をプリントして以来、基本的な作法は変わらない。
白いシルエットに浮かぶ葉脈は幾何学模様のように美しい。
このプルシアンブルーの青は日本語では紺青と表記される。絵画の染料として北斎や広重の浮世絵にも用いられたことからEdo Blueとも表現される。
ゼラチンシルバープリントが発明される以前、サイアノタイプ は19世紀におけるポピュラーな写真技法のひとつだった。鶏卵紙に比べるとコントラストが高く、卵白やゼラチンなどの塗布層を持たないため用紙のテクスチャーそのままにプリントされる。
かつて写真の黎明期を生きた人々は爽やかな紺青のプリントを眺めていた。
あらためて大型カメラで撮影したパリの街並みやニセフォール・ニエプスのアトリエの風景をサイアノタイプにプリントした。
英国南西部のレイコックを訪れたのはそれから三ヶ月後の夏至の日。
ヘンリー・フォックス・タルボットが残した「植物の葉」は村を流れるエイボン川沿いに茂っていた。「植物の葉」は白い小さな花を咲かせる。
タルボットは比較的若い枝葉を選んでプリントしていたようだった。

稲垣徳文

※ アナ・アトキンス:イギリスの植物学者。1842年にサイアノタイプを使った海藻の標本集を出版。のちに世界最初の写真集といわれる。

※「植物の葉」セリ科シャク属の多年草。和名「芍」シャク。英名「Wild Chervil」ユーラシア大陸東部からヨーロッパ東部まで広く分布する。山地の谷間から林の中など少し湿った場所に群生する。セリ科特有の香りがあり葉は色鮮やかな緑色。茎は直立し200cmほどに成長する。

会期中イベント

◯ 稲垣徳文 ギャラリートーク

日時:

3/28(土)19:30〜20:30

料金・定員:

1,000円(税込)、10名まで

ヘンリー・フォックス・タルボットの邸宅のあるレイコックの話、「サイアノ」と「鶏卵紙」の作法についてお話させていただきます。
鶏卵紙は新たにダブルコーティングなどより美しい鶏卵紙をつくる方法を試してみました。150年前の人々も卵白の光沢感を高める方法を色々を考えていたようです。
150年前の鶏卵紙のレシピにあった、余剰となる卵黄を使った「フォトグラファーズ チーズケーキ」も再現しました。
レモン風味のエッグタルトのような焼き菓子です。ギャラリートークで試食できるように準備したいと思います。

◯『サイアノ』『鶏卵紙』プリント体験ワークショップ

日時:

10:00〜13:00(所要3時間)
14:00〜17:00(所要3時間)
3/28(土)
今なら『サイアノ』『鶏卵紙』どちらでも選べます
今なら『サイアノ』『鶏卵紙』どちらでも選べます
3/29(日)
今なら『サイアノ』『鶏卵紙』どちらでも選べます
『サイアノ』プリント体験
4/4(土)
今なら『サイアノ』『鶏卵紙』どちらでも選べます
今なら『サイアノ』『鶏卵紙』どちらでも選べます
4/5(日)
今なら『サイアノ』『鶏卵紙』どちらでも選べます
今なら『サイアノ』『鶏卵紙』どちらでも選べます
スマホの方は→スクロールしてご覧ください

※両方できるように準備しています。ご予約順で、『サイアノ』『鶏卵紙』どちらのWSをするか決まります。

料金:

・サイアノ|8,000円 各回4名まで
・鶏卵紙|12,000円 各回2名まで

『サイアノタイプ』は1842年に発明された、銀以外の感光性のある材料を使った最も古い技法です。鮮やかなブルーが印象的な像を形成します。今回は、伝統処方にくらべ露光時間が短時間でプリントでき、豊かなハーフトーンが特徴的なニューサイアノと呼ばれる新しい処方でのワークショップを行います。

『鶏卵紙』は19世紀中頃から20世紀初頭まで半世紀にわたり用いられたプリント技法になります。鶏卵紙の美しいセピア色はバライタ印画紙登場後も長く人々に愛されていました。ワークショップではパリ「フランス遺産学院」の作法を基に約18cm×24cmサイズのプリントを製作します。鶏卵紙はダブルコートの卵白紙を使います。階調豊かな鶏卵紙の制作過程をお楽しみください。

また仕上がった鶏卵紙プリントは当日お持ち帰り頂けます。ぜひお気軽にご参加ください。

持物:

『サイアノ』『鶏卵紙』ともにプリントは、密着プリント(ベタ焼き)で仕上げます。
ですので8×10ネガや4×5ネガ、デジタルネガなどをお持ちいただくのが理想的なのですが、ない場合は35mmフィルムや120フィルムなど、ロールフィルム1本分を「密着プリント」で鶏卵紙作品として仕上げることも可能です。また、こちらで用意した8×10ネガよりフィルムをお選びいただくことも可能です。
ご不明な点はご相談にのりますので、お気軽にお問い合わせください。

3/22(日)まででしたら、こちらでデジタルネガをお作りすることも可能です(1枚 2,000円)。くわしくは、お気軽にお問い合わせください。

下記ボタンのお申込みフォームから、お申込みください。お申込み頂いた方にはこちらから参加費の振込先と締め切りをお伝えいたします。

※開催日から数えて14日前の正午を過ぎますと、WSの再募集をすることが時間的に困難になりますのでキャンセル料が100%発生いたします。大変申し訳ございませんが、あらかじめご了承下さい。

稲垣徳文 Norifumi INAGAKI

1970 東京都生まれ。
法政大学社会学部卒業。在学中より宝田久人氏に師事。
朝日新聞社『AERA』嘱託カメラマンを経てフリー。

■Exhibition/写真展

1991 「タシュクルガンへの道」 中国・シルクロード・天山北路 オリンパスギャラリー
1995 「大陸浪人」 ドイフォトプラザ
2000 『PORTRAIT OF TIBET』”Dalai-Lama” 東急港北ニュータウン特設ギャラリー
2007 「In the viewpoint of Asia / Tokyo」 galerie Litfasssaule ミュンヘン/ドイツ
2011 巡礼「West Tibet Mt.Kailashi」 コニカミノルタプラザ
2011 Habitat そこにある暮らし  フォトギャラリーシリウス
2017 「HOMMAGE」アジェ再訪  ギャラリーバウハウス
2020 「ROOTS」アジェとニエプスを巡る旅  ギャラリーバウハウス
「巡礼」2010-2020  富士フィルム イメージングプラザ 東京・大阪
2021 「鶏卵紙のパリ」 ギャラリー・ソラリス
2022 「ROOTS -ニエプスのアトリエ、キューバのポラロイド-」 ギャラリー・ソラリス
2024 「Blue Period」 ギャラリー冬青

■Collection/収蔵作品

1995 「大陸浪人」清里フォトミュージアム


最終更新日:26年1月20日(火)
投稿者:solaris