【開催レポート】rainroots10周年フィルムワークショップin大阪の様子

【開催レポート】rainroots10周年フィルムワークショップin大阪の様子

フィルム愛好家からの信頼も厚い写真店「rainroots」(名古屋・大須)が10周年を迎えられました!おめでとうございます〜。

その10周年記念企画イベントとしてrainrootsで開催されたフィルム・暗室を体験するWSを8/30(日)、ソラリスに店主・湯地さんをお招きし開催しました。題して「rainroots 10周年フィルムワークショップin大阪」!

その様子をちょっとだけご紹介します。

RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪

まずは、「みんなで撮って、みんなで暗室にはいって、写真を体感しよう!」WSを10:30~と13:30~の2回開催しました。これは大判カメラを使って、顔写真の撮影体験+モノクロ暗室体験を行うという内容です。

大判カメラといっても、あまり馴染みがないかもしれません。今回使った大判カメラは、4×5インチ(100×125mm)のフィルムを使う、通称「シノゴ」というカメラ。

大判カメラ

上図を見てもらえれば、そのフィルムサイズの大きさは一目瞭然。フィルムが大きいので必然的にカメラも大きくなります。そしてフィルムが大きいということは、よりクリアな写真を撮ることができます。ちなみに4×5の上には、8×10(約20×25cm!)というサイズもあります。

カメラ内部はというと、まったくの空洞!

大判カメラ

片側にはレンズ、もう片側にはピントグラスといわれるスリガラス。そのピントグラスに写った像でピントを合わせます。このピントグラスに像が写っているさまが、また美しいんだな〜。

RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪

今回は小さなキッズもワークショップに参加してくれました。どんな写真が撮れてるのでしょうか??

RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪
RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪

小さな手で、ひとつひとつを操作しシャッターを切ります。大判カメラのピントグラスに写る像を見ながらじっくりと被写体に向き合う時間には、いまどきのカメラでは味わえない「写真を撮る楽しみ」がぎゅっと詰まってます!

RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪
RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪

みんなで交代しながらお互いの顔写真を順番に撮影していきます。今回は、フィルムではなく印画紙をカメラにセットして撮影しています。

RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪

撮る人も撮られる人もドキドキ。フィルムホルダーの中にはどんな像が??それを確かめるため、撮影が終わったら暗室へ!さきほど撮影した写真をさっそく現像します。

RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪

大きなバットに薬品を入れて、その周りをみんなでぐるっと囲んで、作業の説明。大人も子供も真剣です!

RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪

部屋の電気を消して、セーフライトの赤い光のなか、薬品に印画紙を入れて処理をすると、、、お!しだいに何か浮かんできました!薬品につけて待つこと数分、「はい、じゃあ電気をつけましょう〜」

RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪
RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪

じゃーん!像が浮かび上がっています!

RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪

像が浮かんで、お〜!という声。ですがなんだか不思議な写真??そう、この状態では写真の明暗が反転しているので、表情がどんなのかよくわかりません。これをふたたび明暗を反転してプリントすることで、見えていたのと同じような像ができあがります。

RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪

赤い光のなか、引き伸ばし機を使って光を当て、ふたたび薬品に浸けること数分。

RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪
RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪
RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪

おお〜〜!!とさっきよりも大きい声が。像が反転し、こまかな表情が読み取れるようになった写真を前に、みんな思わず笑みがこぼれます。

RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪

笑顔も真顔も、ブレたりボケたりした顔も、なんだかそのときの時間、そのときの出来事、そしてそのときの関係がそこに残ったようで、全部いい写真だ!さっき自分の撮った写真が、自分の手で一枚の紙の上に現れる体験は、まさに写真を体で味わっているよう。

RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪

WS後は、いまプリントした写真を全員分コピーして、ホッチキスでパチリ!その中身、気になりませんか??こんな感じです!

https://rainroots.tumblr.com/post/128024438412/%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%A7%E4%BD%93%E6%84%9F%E3%81%AE3%E5%9B%9E%E5%88%86%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F-%E3%81%99%E3%81%94%E3%81%8F%E3%81%84%E3%81%84-%E4%BD%9C%E8%80%85%E5%86%99%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%82%8B%E4%BA%BA%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%A7%E3%81%99-88%E5%90%8D%E5%8F%A4%E5%B1%8B

rainrootsさんのtumblrより。これまで2回、名古屋で開催された「みんなで撮って、みんなで暗室にはいって、写真を体感しよう!」WSとあわせて作った1冊です。きっとどんな言葉よりもこのWSの楽しさが伝わるのではないでしょうか。

 

さて、15:30~は「モノクロ引伸機と、バットを使ったカラー暗室体験」WSを開催しました。

暗室でカラー写真をプリントする場合、多くは「カラープロセッサー」と呼ばれる機械を使って処理します。

cp31

これは温度管理をした浴槽を備えた機械で、露光した印画紙を入れると自動で印画紙を運び薬品処理をしてくれます。でもローラーパーツにゴムを使っていたり、機械である以上、いつかは使えなくなってしまう不安もあります。

このWSは、もしいつかこうした機械がなくなったり、そもそも機械を持っていなくても、モノクロ暗室の機材があれば、あとはカラーの現像液だけ用意してバット(薬品を入れる水槽)を使い、「なんちゃって」や「一応」ではなく、しっかりとグッとくるカラープリントが焼ける方法を体感してもらうWSです。

え??「モノクロ暗室の機材があれば」って、カラープリントを焼くのにはカラー用の引き伸ばし機が要るんじゃないの??暗室でカラー写真をプリントする場合、普通カラー引伸機を使って行いますが、この日はカラー引伸機での作業とともに、モノクロ引伸機でカラープリントをする方法もご紹介しました。

RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪
RAINROOTS10周年フィルムワークショップIN大阪

こちらのWSは、私もお手伝いしてたりしてあまり写真がありません(すみません!)。。。ですが、そんなやり方があるんだな〜と私自身すごく勉強になる時間でした。このWSではクリスタル(超光沢)の印画紙を使い、そのモノとしての存在感にも強く魅かれました。そしてその後私は大失敗をやらかしてしまい。。。ほんとに御迷惑おかけいたしました!!!

というわけで、1日まるまる暗室漬けとなった「rainroots 10周年フィルムワークショップin大阪」。rainrootsだからこそできる内容のフィルムへの信念を感じる、種をまくようなワークショップになりました。こんなワークショップをソラリスで開催できたことをとても幸せに感じます。ご参加頂きました皆さま、そしてrainroots湯地さん、本当にありがとうございました!

rainrootsでは、いまでは数少ないアナログのプリント機を使って、フィルムからアナログ露光・手焼きプリントをしてくれるほか、第2土曜日はレインルーツバザーの日を開催されたり、最近はお得なフィルム現像チケットなども販売されています(数に限りあり?)。

遠方からの郵送プリントも受け付けてらっしゃいますので、フィルム好きの方はぜひ!フィルムユーザーの信頼も厚いそのプリントクオリティをご自身の写真でお確かめください。


最終更新日:15年9月3日(木)