ギャラリー・ソラリス企画展 稲垣徳文 写真展「鶏卵紙のパリ」

ギャラリー・ソラリス企画展

稲垣徳文 写真展「鶏卵紙のパリ」

2021年323日(火)〜 44日(日) 11:00〜19:00

※3月29日(月)休廊

作家在廊予定

4/2(金) 17:00-19:00予定
4/3(土)、4/4(日) 11:00-19:00予定
※16:00までWSのため、ギャラリーには不在となります

  • 会期中イベント

    「『鶏卵紙』ワークショップ」

    定員に達しました
    3月27日(土)10:00〜13:00 / 13:00〜16:00
    3月28日(日)10:00〜13:00 / 13:00〜16:00
    4月3日(土)10:00〜13:00 / 13:00〜16:00
    4月4日(日)10:00〜13:00 / 13:00〜16:00
    料金:5,000円(税込)  定員:各回2名
    ※プリント購入者への特典として、WSへの無料招待あり

     

    「ギャラリートーク『鶏卵紙の作り方と、アジェのパリ撮影記』」

    定員に達しました
    3月27日(土)19:00〜20:00予定
    料金:無料  定員:5名

コロナウイルスへの対応、お客様へのご協力のお願い

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写真展概要

「ウジェーヌ・アジェ」の作品に出会ったのは1980年代末に銀座で開かれた回顧展だった。淡いセピア色の静謐な景色が記憶に残っている。アジェは「失われゆく景色を写した写真家」と表現されることから、その景色はもはや存在しない。そう思っていた。
2012年の秋、パリに行くことになりアジェの写真集を眺めていた。ふと写真に記載された地名をWebで調べてみると同じ名前の通りがあることがわかった。それから数日かけて写真集に収録されたすべての撮影地を確認したところ、パリの路地はこの100年、ほとんど名前が変わっていないことが判明した。
表紙の「セーヌ通り」は、ポン・デザールとサン・ジェルマン・デ・プレを結ぶ道だった。その道はこれまで何度も歩いているにも関わらずアジェの風景と思うことは一度もなかった。それは何故なのか。その答えを求めて私は大型カメラを携えて再びパリに出かけた。ピントグラス越しに「セーヌ通りの三叉路」眺めること。それが旅の出発点であった。
毎朝、パリ北駅にほど近いサン・マルタン運河沿いのホテルから共和国広場を経てシテ島へ向かう。ポン・ヌフを渡りサン・ミッシェルへ。パリはメトロも便利だがやはり徒歩がいい。空模様を伺いながらアジェのイメージを探し歩く。アジェのパリには撮れそうで撮れない密度のようなものがある。
私はモノクロフィルムからのプリントはバライタ印画紙が最も繊細な表現ができると考えている。しかしながら、国産のバライタ印画紙はもはや存在しない。
鶏卵紙はそうした危機感から取り組み始めた。作法はパリにある国立遺産学院(Institut National du Patrimoine)のワークショップを参考にしている。CANSONのデッサン用紙で作る鶏卵紙は柔らかな光沢感のあるプリントに仕上がる。それは19世紀当時の鶏卵紙の紙質に近いという。鶏卵紙は多階調タイプのバライタ印画紙を凌ぐ階調性がある。19世紀の写真技法は逆光の石畳の質感さえ表現できるのだ。
鶏卵紙のモダンプリントはあたたかなセピア色をしている。アジェが鶏卵紙など塩化銀紙を使い続けた理由はこのあたりにあるのではないかと思う。これらの作品はウジェーヌ・アジェと写真の黎明期を生きた写真師たちへのオマージュでもある。

稲垣徳文

会期中イベント

【3/27 sat・3/28 sun】稲垣徳文『鶏卵紙』ワークショップ

稲垣徳文『鶏卵紙』ワークショップ

鶏卵紙は19世紀中頃から20世紀初頭まで半世紀にわたり用いられたプリント技法になります。鶏卵紙の美しいセピア色はバライタ印画紙登場後も長く人々に愛されていました。ワークショップではパリ「フランス遺産学院」の作法を基に8×10サイズのプリントを製作します。
貴重なキャンソンのパルプ紙に卵白と硝酸銀の塗布の後、太陽光による「焼きだし」、画像保護を目的とした金調色を行います。階調豊かな鶏卵紙の制作過程をお楽しみください。

また仕上がった鶏卵紙プリントは当日お持ち帰り頂けます。ぜひお気軽にご参加ください。

会場でプリント作品ご購入の方は、ワークショップに無料招待いたします(先にワークショップを申し込みされ、あとでプリント購入となったお客様には、ワークショップ代金をご返金いたします)。

日時2021年327日(土)10:00~13:00 /13:00~16:00 ともに定員になりました
2021年328日(日)10:00~13:00 /13:00~16:00 ともに定員になりました
2021年43日(土)10:00~13:00 / 13:00~16:00 ともに定員になりました
2021年44日(日)10:00~13:00 / 13:00~16:00 ともに定員になりました

内容は全て同じです。お好きな日時をお選びください。
定員の回は、キャンセル待ちでのお申し込みが可能です。

・所要3時間:作業工程
「卵白の塗布」~乾燥~「硝酸銀の塗布」~乾燥~『焼きだし』太陽光8分~
~水洗~金調色~水洗~定着~水洗~乾燥~フラット二ング~ 仕上がり
会場ソラリス(地図
TEL:06-6251-8108
料金・定員5,000円 各回2名まで (先着順)
持ち物鶏卵紙でのプリントは密着プリント(ベタ焼き)で仕上げます。
ですので8×10ネガや4×5ネガ、デジタルネガなどをお持ちいただくのが理想的なのですが、ない場合は35mmフィルムや120フィルムなど、ロールフィルム1本分を「密着プリント」で鶏卵紙作品として仕上げることも可能です。また、こちらで用意した8×10ネガよりフィルムをお選びいただくことも可能です。
ご不明な点はご相談にのりますので、お気軽にお問い合わせください。

下記ボタンのお申込みフォームから、お申込みください。お申込み頂いた方にはこちらから参加費の振込先と締め切りをお伝えいたします。

※開催日から数えて14日前の正午を過ぎますと、WSの再募集をすることが時間的に困難になりますのでキャンセル料が100%発生いたします。大変申し訳ございませんが、あらかじめご了承下さい。

*新型コロナウイルスなど感染状況や政府からの指示に基づき、営業を自粛させていただく可能性があります。中止となった場合、お支払いいただいた参加費5,000円をご返金となります。

トーク、鶏卵紙WS、ともに定員に達しました

【3/27 sat】稲垣徳文ギャラリートーク『鶏卵紙の作り方と、アジェのパリ撮影記』

3/27(土)19:00〜、稲垣徳文さんのギャラリートークを開催いたします。今回の「パリの新旧」のほか、「バスチーユ広場周辺のカメラ屋さん」、「写真集のある書店」、鶏卵紙に適した用紙のある「画材店」、「鶏卵紙の作法」、「アジェの暗室」画像などをご覧いただく予定でおります。密を避けての少人数制となりますので気になるかたはお早めのご予約をお願いいたします。

トーク、鶏卵紙WS、ともに定員に達しました

使用機材

DEARDORFF 8×10
FUJINON・W 180mm f5.6 / Paris Darlot 165mm
フィルム:KODAK Tri-X、ILFORD HP5、FOMA PAN400
印画紙:CANSON CROB’ART(鶏卵紙)、ILFORD FB Cool Tone、FOMA MG 131

稲垣徳文 プロフィール

1970年東京都出身。法政大学社会学部卒業。
在学中より写真家・宝田久人氏に師事する。
朝日新聞社「AERA」編集部を経てエディトリアルを中心に活動する。
「ウジェーヌ・アジェが写したパリの再訪」と「アジアの古刹巡礼」をライフワークにしている。東日本大震災後、太陽光でプリント可能な鶏卵紙による作品制作に取り組んでいる。日本写真協会会員。

 

写真展

1991年『タシュクルガンへの道』オリンパスギャラリー
1995年『大陸浪人』ドイフォトプラザ
2007年『In the viewpoint of Asia / Tokyo』gallery Litfasssaeule Munchen
2011年『巡礼』Mt.Kailas コニカミノルタプラザ
2011年『Habitat』ギャラリー・シリウス
2017年『HOMMAGE』アジェ再訪 gallery bauhaus
2019年『10th gelatin silver session』参加 AXIS GALLERY
2020年 『ROOTS』アジェとニエプスを巡る旅 gallery bauhaus
2020年 『巡礼』2010-2020 フジフィルム イメージングプラザ 東京/ 大阪

最終更新日:22年4月7日(木)