辻󠄀中潤 写真展
<Still Alive>は、枯れゆく花の姿を通して『生き続けること』を問いかけるシリーズです。
花は美を失い、役目を終えてもなお形を保ち、存在し続けます。その姿には、人が生きることの矛盾や理不尽が重なります。
生のなかでは、避けがたい喪失や傷が訪れます。思いがけない出来事や抗いようのない状況にさらされても、人はそれでも歩みを止めずに生き続けます。
その痕跡はときに痛々しいものですが、同時に確かに「生きた証」として輝きを放ちます。
私自身、この問いを身近に感じてきました。傷や絶望に直面しながらも、支えてくれる存在や託された思いによって、かろうじて一線を越えずに踏みとどまることができた経験があります。
そんな背景からか、私は枯れかけた花の姿に「まだ生きている」という実感を見いだします。
本展では、傷を抱えながらもなお生きることの美しさを見つめ、その痕跡を共に確かめていただければと思います。
(辻󠄀中潤)
420×594mm ピグメント・インクジェット・プリント 7枚
594×841mm ピグメント・インクジェット・プリント 2枚
300×400mm ゼラチン・シルバー・プリント 4枚
2001年 大阪府出身
2021年 大阪芸大 写真学科入学
2025年 卒業制作 優秀賞受賞
2025年 大阪芸大 写真学科卒業
2025年 大阪芸大 大学院 デザイン学科 写真専攻 入学