©️ Manabu Someya

ギャラリーソラリス企画展

染谷學 写真展

「六の舟」

2022年111日(火)〜123日(日) 11:00〜19:00 ※1月17日(月)休廊

協力:G.I.P.Tokyo

コロナウイルスへの対応、お客様へのご協力のお願い

作家在廊予定

1/14(金)15:00頃〜18:00頃 在廊予定、1/15(土)・1/16(日)終日 在廊予定

会期中イベント

会場での参加は定員となりました。

1/15(土)19:30〜21:00、染谷學トークイベントを開催いたします。
会場での参加(参加費無料・事前予約制)とともに、YOUTUBE live streamingで無料オンライン配信いたします。

公開終了いたしました。ご視聴いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

三十歳になったばかりのころ仕事で訪れた八代海に臨む小さな町は、学生時代を東京で一緒に過ごして、その後は僕のせいで会うこともなくなってしまった友人の生まれた町だった。これといった特徴もないような町だったけれど、湾曲した道の先に海が見えた。それは誰も気にとめることもないような海だった。最初からそこにあるから仕方なくそのままにしてあるのですというような海だった。
しかし、友人はその海を見て育った。小さなころからいつもその海を見て育ったのだ。僕といた時、友人の内にはそんな寂しい風景があったことを僕は知らなかった。そう思ったらとても哀しい気持ちになった。

それがきっかけになったのかはもう忘れてしまったけれど、二十年以上経った今でも海沿いの町への小さな旅は続いている。
僕にとっての旅は、旅先のその町に明日もまた同じような日常が訪れるのだということを、しみじみと切なく感じることだ。帰りのバスが動き出し、少し高くなった座席から見える町がゆっくりと流れる。昨日歩いた路地、商店、人の姿、きらりと光る海。明日もまた、この町の人たちはこの海を見て暮らすのだろうと僕は思う。

少しでも遠くへ、少しでも小さな町へ旅をしたい。
僕の内には無い風景を見てみたい。

染谷學

染谷學 Manabu Someya

1964年 生まれ
日本大学芸術学部写真学科 卒業

写真展 個展

1995 「生きてゆくカレンの人々」 銀座ニコンサロン
2000 「Calcutta」コニカプラザ新宿
2003 「海礁の柩」 ライトワークス
2008 「温泉の町」 銀座ニコンサロン
2010 「ニライ」 銀座ニコンサロン/大阪ニコンサロン
2011 「Calcutta」 ギャラリー冬青
2012 「道の記」ギャラリー蒼穹舎
2013 「道の記 II」ギャラリー蒼穹舎
2014 「道の記」 NADAR 大阪
2014 「道の記」 Gallery722 岡山
2015 「艪」ギャラリー蒼穹舎
2016 「ナハ」新宿ゴールデン街 酒場こどじ
2018 「ほうたれ」ギャラリー蒼穹舎
2019 「ほうたれ」ギャラリーソラリス
2020 「en paix」 space 2*3

写真展 グループ展

2014 「Japanese eyes」 in)(between gallery パリ
2015 ドンガン国際写真フェスティバル メインエキシビション 韓国
2015 fotofever  カルーセル・ド・ルーブル パリ

コレクション

沖縄県立博物館美術館
相模原市
日本大学芸術学部

受賞

さがみはら写真新人奨励賞2010 写真展写真集『ニライ』にて

最終更新日:22年4月7日(木)
投稿者:solaris