育緒 写真展「Lumen」
育緒 写真展「Lumen」

©️ ikuo

ギャラリーソラリス企画展

育緒 写真展

「Lumen」

2021年1130日(火)〜1212日(日) 11:00〜19:00

※12月4日(土)13:00〜14:00 トークイベントのため入場できませんのでご注意ください
※12月6日(月)休廊

【12/4 土】会期中イベント

▼13:00〜14:00 育緒ギャラリートーク(無料・定員10名・予約制)

▼15:00〜17:00 ブロムオイル印画体験WS(参加費10,000円[展覧会図録付]・定員5名・予約制)

ブロムオイル印画体験は定員に達したため、キャンセル待ちの受付となります。

作家在廊予定

12/4(土)11:00〜13:00、14:00〜15:00、17:30〜19:00

コロナウイルスへの対応、お客様へのご協力のお願い

lumen/ルーメンは、光源から放たれたすべての光を意味する言葉であり、私にとっては美の源泉そのものです。けれどある時、lumenという語は解剖学の世界でも使われ、「細胞組織の内部空間」を意味していることを知り、制作中だったこの作品のタイトルへと結び付けました。

今作はブロムオイル印画という、古典写真技法で制作しています。
ブロムオイル印画は、その製作過程において銀塩写真の銀をインクに置き換えていく作業があるのですが、そのためには感光させた銀による映像を故意に消失させ、印画紙の中に物理的な空洞を生じさせる必要があります。つまり光学のルーメンと解剖学のルーメンがリアルなトランスフォーム関係にあって、それが言葉の上でも偶然つながっていることが、非常に印象的だったのです。

外光を遮光し、4灯の光源と和紙の背景だけで撮影しました。枝や実に注ぐ光だけでなく、そこから跳ね返る光によって満たされる空間を強く意識しています。光が写真の中でなお巡り続けていくよう、その内部空間にインクという命を吹き込む作業は、光が居た場所を手探りする作業でもあり、美の源泉を確かめる豊かな時間でもありました。

育緒

【12/4 土】会期中イベント(予約制)

<13:00-14:00>育緒ギャラリートーク

参加費無料・定員10名(要予約)

本展の作品についてのギャラリートークを行います。

<15:00-17:00>ブロムオイル印画体験WS

ブロムオイル印画体験は定員に達したため、キャンセル待ちの受付となります。

参加費10,000円(展覧会図録付き/税込)・定員5名(要予約)

本展のプリント技法であるブロムオイル印画の制作プロセスを育緒さんの解説とともにご覧いただき、ブラシを使ってリトグラフ用のインクを叩き込んでいく作業を一緒に行います(写真はこちらで用意した5×7インチのもので作業をします)。

 

※下記の【ブロムオイル印画法について】の③の体験を参加者にしていただきます。①②の作成は時間がかかるので、作業を見学・説明させていただきます。

ブロムオイル印画法について

ブロムオイル印画法は、銀塩写真の銀をインクに置き換えていく古典写真技法です。

① 暗室で定着まで完了させた印画紙を、特殊な薬品に浸し、銀を漂白しながらゼラチン層を硬化する。

② 充分に固め、漂白し終わった銀を水洗して取り除くと、プリントから画像は消え去り、先ほどまで銀が存在していた場所が空洞のような状態になってゼラチン層だけが残る。

③ その微細な空洞に、ブラシを使ってリトグラフ用のインクを叩き込んでいく。

叩き方の加減で濃淡をコントロール出来るのが、ブロム印画法の最も大切な部分です。絵画のようなタッチで作品を仕上げることができるため、歴史的にも丁度100年ほど前にピクトリアリスト(絵画主義的写真家)たちによって技術が洗練されていきました。

作品集

育緒 ゆきやこんこん

タイトル:ゆきやこんこん
著者:育緒

定価:1,480円(税込)

育緒 写真展「Lumen」図録をソラリス・オンラインストアでも販売スタートしました。ブロムオイルプリントで仕上げられた11点の作品を掲載しています。

一枚一枚に添えられたひらがなの言葉とともに写真を見ていると、子供の頃、影が色々なものに見えてきたような気持ちを思い出します。わずかにテクスチャーの感じる紙が、雪のようなイメージも思い起こさせるシンプルな装丁。限定200部となります。

育緒 Ikuo

1968年 京都市生まれ
東京、メキシコシティ、ハリウッド、サンフランシスコなどに暮らし、現在は東京と京都をダブル拠点にして作家活動を展開。
クラシックカメラの修復職人としても23年のキャリアをもち多くのワークショップを開催。
2007年に土門拳文化賞受賞。

【個展】

2020「Perfect gamble」 ギャラリーソラリス(大阪)
2020「Perfect gamble」 ナダール(東京)
2019「Side ABC」 ギャラリーソラリス(大阪)
2018「プラトンの洞窟」 gallery main(京都)
2018「プラトンの洞窟」 ピクトリコギャラリー表参道(東京)
2017「45min.」 gallery main(京都)
2016「Noble」 京都ホテルオークラ
2015「Whiskey Drinking Troubadour」 gallery main
2013「Whiskey Drinking Troubadour」 iTohen(大阪)
2012「Whiskey Drinking Troubadour」 In Style Photography Center(東京)
2008「甘い地獄」 新宿ニコンサロン(東京)
2007「甘い地獄」 土門拳記念館(山形)

【主な出版物】

写真集「Whiskey Drinking Troubadour」(窓社 2012)
著書「I love フィルムカメラ」(技術評論社 2015)


最終更新日:21年12月2日(木)